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1 コシヒカリ 「コシヒカリ」は、昭和31年(1956年)に福井県立農事試験場(現福井県農業試験場)で育成され、名前は「越の国に光り輝く米」との願いを込めて命名されました。粘りと弾力があり、ツヤと香りも優れていることから、福井米の主力品種として作付されているだけでなく、代表的な良食味米として全国の水稲作付面積の36%で作付される日本一の品種となっています。 県内の主な生産地。県下全域で作付けされており、水稲作付面積約26,000haのうち約60%をコシヒカリが占めています。 食味ランキングで「特A」を獲得。「五月半ばの適期田植え」や食味検査に基づく区分集荷により、食味ランキングで平成24年から6年連続して「特A」を獲得しています。 首都圏でのブランド力向上。平成28年にはコシヒカリが福井県で誕生して60周年を迎えたことを記念して、特別栽培米を東京の百貨店や高級スーパーで販売し、福井県産米の首都圏でのブランド力向上を図りました。 「コシヒカリを生んだ福井県」全国キャラバン。平成26年9月からキッチンカーで全国を周り、各地で本県産コシヒカリのご飯と味噌汁を提供し、全国の多くの方にPRを行いました。11月には、全国の水稲農家や研究者を本県に招き、新たな米品種の育成と消費者の評価についてのパネルセッションなどを行いました。 土づくりの推進。「秋の田起こし」運動や土壌分析に基づく土づくりを進め、さらなる品質の向上を図ります。 「夜間かんがい」の導入。九頭竜川下流域のパイプラインから24時間供給されるきれいで冷たい水を夜間に田んぼに入れる「夜間かんがい」を導入し、品質と食味の向上を図ります。 新品種の開発。福井県での栽培に適した栽培特性および、市場ニーズに合致する特徴を持つ品種の開発を進めます。
2 いちほまれ 「いちほまれ」は、平成29年(2017年)に福井県農業試験場で育成され、名前は「日本一美味しい 誉れ高きお米」との願いを込めて命名されました。お米の特徴は、絹のような白さ、口に広がる優しい甘さ、粒感と粘りの最高の調和です。 県内の主な生産地。県下全域で作付けされています。30年度は、県内で高い生産技術を持つ380名を生産者に認定し、600haで作付し、約3,000tを生産。 ロゴ・パッケージは、美味しいお米の源である金色の太陽をモチーフに、シンプルかつ力強くインパクトのあるデザインとしています。 平成30年度から本格生産開始。 ニーズに合わせた生産。有機JAS認証米、特別栽培米、エコ栽培米を生産しています。 百貨店、米穀店、量販店で販売。販売店のニーズに合わせたカテゴリ(栽培法)の米を出荷しています。 いちほまれCMを制作し、TVおよび店頭モニターで放送し、消費者にPR。 販売店では専門販売員「いちほまれコンシェルジュ」がいちほまれの特徴や美味しいご飯の炊き方等を説明。 平成30年の全国販売開始イベントを阪急西宮ガーデンズで開催。 HP、SNSで、消費者に切れ目なく情報を発信。 ニーズに合わせた生産拡大。 生産面積を広げるとともに、きめ細かい指導により品質・収量の高位安定を図ります。 販路拡大。 取扱店での定番化、新規取扱店の開拓により多くの消費者がいちほまれを手にとれるようにします。
3 ソバ 福井県は、風味の高いソバが多いとされる北緯36度線の地帯に位置しており、全国でも良質なソバの産地として知られています。県全域で、地域に受け継がれる「在来種」というソバにこだわって生産しているのが特長で、香り高く味が濃いことで全国から高い評価を受けています。製粉にもこだわっており、昔ながらの「石臼挽き製粉」で生まれるそば粉は、香り高くコシの強いそばを生み出します。また、県を代表する食文化の「越前おろしそば」は江戸時代から伝わる伝統食で、健康長寿を支える食として県民の生活に深く根付いています。そば打ちも盛んに行われており、全国にある「そば道場」は福井が発祥と言われるほか、平成8年からは毎年、「全日本素人そば打ち名人大会」を開催し、福井のソバを全国に発信しています。 県内の主な生産地。大野市や勝山市、坂井市を主産地とし、南越前町の今庄地区や福井市美山地区などの中山間地では、特産作物として作付されています。各地で大野在来や丸岡在来、今庄在来といった在来種を作付しています。 在来種の特徴。福井県の在来種は、小粒で殻が薄く、中身が詰まっているのが特徴です。ソバの実に含まれる甘皮が「香りと風味のもと」とされており、①福井のソバは小粒で相対的に甘皮の割合が高くなること、②製粉する際に主に甘皮ごと挽きこむ方法を採用していることから、香り高いそば粉になると言われています。 「越前おろしそば」の歴史、特徴。おろしそばは江戸時代に府中(現 越前市)の藩主である本多富正が奨励ことが発祥とされています。昭和22年、昭和天皇ご行幸の後、福井で食べたおろしそばを「あの越前のそば…」と懐かしんだことから「越前おろしそば」と呼ばれるようになりました。大根おろし、ネギ、かつお節、ダシを麺に豪快に”ぶっかけ”て食べるのが特徴です。 生産拡大。主に水田での2年3作体系の麦後の転作作物として、作付面積の拡大を進めています。また、中山間地では不作付地の解消のため、地域の特産作物として生産を進めています。 特色あるソバ生産。実需者からの評価が高い特色あるソバとして、香りが極めて強く、ルチンなどの栄養価が高くなる「早刈りソバ」の生産を行っています。また、一部地域では7月に新そばとして収穫できる「夏ソバ」の生産を行っています。 販路拡大。福井のそばブランドを発信するため、「全日本素人そば打ち名人大会」や「そば打ち講座」、研修会などを開催するほか、「おいしい福井県産そば使用店」の認証による販路の拡大に努めています。 安定生産。排水対策の徹底、播種期分散による危険分散、畝立て播種の推進により湿害を回避し、さらなる収量の向上を図ります。 需要拡大。消費者に注目される付加価値の高いソバの生産を推進するほか、そば麺以外の食べ方を広く提案し、県産そばの需要拡大、新たな需要獲得を図ります。
4 上庄里芋 福井県東部の大野市上庄地区で生産されるブランド里芋です。上庄地区には、里芋に適した水はけの良い土壌や晩夏~秋に寒暖差が大きいこと、九頭竜湖から流れる豊かな水などの自然環境が揃い、美味しい里芋が収穫されます。里芋栽培の歴史は古く、室町時代に伊勢神宮に奉納したとの記録も残っています。昭和45年から始められた米の生産調整を契機に本格的な栽培が始まり、現在では、「小ぶりながら身が締まっていて煮崩れしないため、里芋の旨みをしっかり味わうことができる。」という特長が各地で高い評価を得ています。 県内の主な生産地。大野市上庄地区 生産量と主な出荷先。「上庄里芋」は約60haで栽培され、年間約600tが生産されています。(5~6月に植付け、10~11月に収穫)そのほか、上庄地区以外の大野市、勝山市で生産される里芋約650tが「越前里芋」として出荷されています。・県内市場に約30%が出荷され、東京をはじめとする県外にも出荷されています。 加工品の開発。冷凍里芋の製造販売やこれまで活用されなかった頭芋を用いた加工品の開発・販売にも取り組んでいます。 販路拡大。平成29年に地理的表示保護制度(GI)に登録され、平成30年より出荷箱に国が定めるGIマークを表示し、ブランド向上を図ります。 生産拡大。定植機や収穫機等の導入により、省力化や生産規模の拡大を図ります。 消費拡大。新たな加工品の開発や料理法の提案等により、消費の拡大を図ります。
5 とみつ金時 福井県の北端に位置する北潟湖と日本海に挟まれた丘陵地帯に位置するあわら市富津(とみつ)地区で栽培されているサツマイモで、昭和60年から生産されています。山土と砂土が程よく混じった畑で、環境に優しい農業で作られるとみつ金時は、甘味が強く、適度な水分が詰まっています。収穫されたとみつ金時は、徹底した温湿度管理の元で貯蔵(キュアリング)されており、最適な水分の美味しい状態を維持しながら1年中出荷されています。 県内の主な生産地。あわら市富津地区 生産量と主な出荷先。栽培面積は約30haで、年間約500tが、主に県内に出荷されています。甘みが強く、様々な用途に利用され、とても人気があります。 安定生産と生産拡大。地域内の若手農業者が「エコフィールドとみつ」を組織し、生産拡大に取り組んでいます。また、大型のキュアリング施設を整備し、徹底した温湿度管理の元、一年中出荷しています。 環境にやさしい栽培。農薬の使用を減らした環境に優しい農業や、緑肥作物をすき込む土づくりに取り組み、安全・安心でおいしい「とみつ金時」を生産しています。 加工品の開発。とみつ金時を原料とした新たなスイーツの開発に取り組みます。 県外への販路拡大。県外イベントなどに積極的に出展し、新規取り扱い店舗の開拓などを行います。
6 越のルビー 「越のルビー」は、福井県内で生産されるミディトマトのブランド名です。このブランド名のもととなっている品種「越のルビー」は、福井県立短期大学(現福井県立大学)で育成されました。果実が鮮やかな紅色であることから、福井県出身の芥川賞作家津村節子さんが命名され、平成4年に品種登録されました。大玉トマトとミニトマトの中間(ミディ)の大きさで、大玉トマトと比較すると甘みが強いのが特長です。 県内の主な生産地。福井市、あわら市、小浜市等を中心に県下全域で生産されています。 生産量と主な出荷先。栽培面積は約11haで、年間約260t生産されています。出荷量のうち県内市場に約70%が出荷され、大阪をはじめとする県外にも出荷されています。 栽培体系。主に、春に植え付け6~7月に収穫する作型と、初夏に植え付け9~11月に収穫する作型の他に、大規模施設にて8月に定植して翌6月まで収穫をする周年生産も加わっています。 年間を通じた生産体制の整備。これまで、生産量が少なかった冬~初夏の出荷を本格的に行うため、周年生産が可能な大規模施設の整備を整備し、年間を通じて「越のルビー」が供給できる生産体制が整いました。 実需者ニーズに対応した出荷体制の整備。予冷出荷や定量出荷が可能な集出荷貯蔵施設を整備し、新たな販路の開拓や契約取引の拡大による農家経営の安定化を図っていきます。
7 らっきょう 福井市白方地区、坂井市浜四郷地区にまた がる三里浜砂丘地で栽培され、明治の初期に和歌山県から持ち込まれたのが最初と言われています。畑で足かけ3年間育成する「三年掘」という栽培方法は、約130年の歳月と生産農家の技術開発により生み出され、他の産地には例がありません。2度冬を越させることで、小粒で繊維が細かく、身が締り、シャキシャキとした歯切れの良さが特長です。 県内の主な生産地。福井市および坂井市の砂丘地 生産量と主な出荷先。栽培面積は約35haで、年間500tが生産されています。らっきょうは、主に甘酢漬け加工され、「花らっきょ」として県内外で販売されています。 栽培体系。9月に種球を植付け、2年後の5月から6月に収穫します。 栽培の大規模化。植付けや収穫作業の機械化により、生産組織による大規模栽培が進められています 加工品の開発。ドレッシングや梅酢漬けといった商品に加え、新たな加工品の開発を行っていきます。
8 福井梅 「福井梅」は、若狭町西田地区で、江戸時代の天保年間に栽培が始まったといわれています。この地域は、春先の気候が安定していたことから梅栽培に適し、明治時代には様々な品種改良が行われ、現在の「紅映(べにさし)」「剣先(けんさき)」が誕生しました。また、昭和61年には「新平太夫(しんへいだゆう)」が、平成17年には「福太夫(ふくだゆう)」が、県の園芸試験場で品種登録されました。「福井梅」は、昭和52年以降、毎年6月に皇室に献上されています。 県内の主な生産地。若狭町、小浜市、南越前町(旧河野村) 生産量と主な出荷先。栽培面積は約500haで、年間約1,000tが生産されています。県内市場の他、北陸や京阪神にも出荷されています。6月上旬~中旬:「剣先」、6月中旬~下旬:「紅サシ」 品種の特徴。「紅映」は、肉厚で種が小さく食べやすいのが特長で、ミネラルも豊富に含まれています。また、梅酒専用の「剣先」は大玉で、その名のとおり果実の先端が尖っているのが特長です。「新平太夫」は、やや晩生の品種であり、収量が多く、梅干しの品質も良好です。「福太夫」は、やや小ぶりですが収量が多く、梅酒、梅干しに適しています。 白干梅の生産。青梅での出荷だけでなく、生産者自らが、塩漬け、天日干しを行い、白干梅(しらぼしうめ)としても出荷をしています。白干梅は、加工業者で味付けされ、梅干しとして販売されています。 福井梅のPR。昭和61年から、年3回、大相撲優勝力士に梅干しの入った優勝カップの贈呈を行い、全国に福井梅のPRをしています。 オリジナル品種への改植。収穫量が多く、梅干の品質が良い「福太夫」、「新平太夫」という福井県オリジナル品種への改植を進めていきます。 加工品の開発。味付け梅干しやウメ果汁入り飲料といった商品に加え、ドライフルーツやピューレ等の新たな加工品の販路を拡大します。
9 若狭牛 越前若狭の豊かな気候風土のもと、農家が深い愛情を持って、丹精込めて育てた黒毛和種の中から、厳しい基準により認証された最高級の和牛肉です。脂肪交雑(霜降りの度合い)のサシが密でキメが細かく、風味が良いと肉の専門店から評価されています。若狭牛の歴史は古く、平安時代に牛車を引く牛としてその名が知られていました。 県内の主な生産地。坂井市、池田町、若狭町、敦賀市、おおい町など 生産頭数。年間約600頭 若狭牛認証。福井県若狭牛流通推進協議会(事務局:福井県経済農業協同組合連合会)が、以下の基準を満たしたもののみ認証しています。黒毛和種で、親が優秀な血統であることが明確である和牛。福井県内で12か月以上肥育された和牛・肉質等級3等級以上、かつBMS4以上の和牛肉※ BMSとは、サシの入りを評価する数値。12段階あり12が最良 三ツ星若狭牛の発売。平成26年7月から、「若狭牛」の中でも、県が飼養管理方法を確認・認定した農場で生産され、和牛肉の美味しさを増すと言われるオレイン酸の含量が特に高いもの(牛脂中55%以上)を「三ツ星若狭牛」として認証し、新しいブランドとして発売を開始しました。※オレイン酸とは … 身体に良いと言われている脂肪成分の一種で、オリーブオイルの主成分です。オレイン酸が多いほど、脂肪の融点が低くなり、いわゆる口どけの良い脂になります。
10 福地鶏 県畜産試験場が開発した、たまごも肉もおいしい卵肉兼用の地鶏です 。  福井市の養鶏家で50年以上にわたり改良育成された採卵鶏ウエミチレッドの雄と 独立行政法人家畜改良センター岡崎牧場で育種開発された純国産の卵肉兼用種岡崎おうはんの雌を掛け合わせてつくられています。 平成29年から生産が始まりました。 県内の主な生産地。坂井市、あわら市、福井市、敦賀市、大野市、池田町など 生産羽数。年間3,000羽 たまごは、県内農産物直売所やスーパー等での生鮮販売やお菓子製造業者によるスイーツ、飲食店における料理として提供されています。 肉は、県内飲食店における料理として提供されています。 生産者、販売者で構成されている福地鶏推進協議会により、福地鶏のPRイベント等を開催するなどし、ブランド力強化を目指しています。 ヒナの供給体制を年間3,000羽から5,000羽へ増羽します。
11 越前水仙 越前水仙は、越前海岸に咲く日本水仙の総称で、花が引き締まり、茎は太く、葉にはハリがあり、香りが強いのが特長です。その理由は、低温でありながら雪が少ないことや暖流と寒流がぶつかる海域近くで風と温度が開花に適しているなどの地理的条件によるものです。また、越前海岸の水仙は、千葉県の房総半島、兵庫県の淡路島とともに全国3大群生地のひとつに数えられています。 県内の主な生産地。福井市、越前町、南越前町の海岸地域で栽培されています。 生産量と主な出荷先。栽培面積は約76haで、年間約100万本が出荷されています。市場への出荷は、関西方面に約60%、関東・中京方面に30%北陸方面に10%ずつ出荷されています。越前水仙は、生け花用や迎春の花として人気があります。 生産性の向上。越前水仙は、斜度約30度の急峻な海岸段丘にある棚田や畑で長年栽培されてきましたが、高齢化の進展により、過密になった球根をボランティアの協力を得て改植することにより畑を再生しています。また、生産性が高い平坦地栽培を進めています。 (削除) 生産の拡大。球根の養成・供給システムを確立するとともに、新たな生産者の確保や生産量の拡大を図ります。 需要の拡大。首都圏、関西、中京方面等の大手専門店、量販店への売込みなどのPRを行い、新規取扱い店舗の開拓による販売先の確保を行います。
12 九頭竜まいたけ まいたけは、標高1,000m余りの深山に自生する幻のきのこで、運よく発見出来れば、舞うほどに喜んだことから、その名が付けられたといわれています。「九頭竜まいたけ」も、福井の山間部に自生していましたが、そのおいしさを特産品として広めようと昭和63年頃から人工栽培が始められました。九頭竜まいたけは、味、香りとも良く、歯ごたえもあり、山間部である大野市の厳しい寒さも味にいい影響を与えています。また、きのこ類の中でも特に、食物繊維やビタミンDが多く含まれ、近年の健康指向もあり、全国的に注目されている食材です。 県内の主な生産地。大野市で人工栽培されています。 生産量。平成28年春から新工場の稼働が始まり、近年の生産量約100tから120tに増加しています。 旬および主な出荷先。晩秋から冬にかけて、鍋の季節に利用されています。福井市中央卸売市場、地元店舗、直売所のほか、石川や大阪など県外にも出荷されています。 品質管理。栽培において、鍵となるのは湿気であり、菌床の水分調整から培養室、発生室、出荷までの厳しい湿度管理を行っています。 加工品の開発。まいたけの加工にも取り組んでおり、最近では、炊込みご飯の素を商品開発しました。 生産量の拡大。生産施設の規模拡大や効率化により、生産量が約120tに増加しており、数年後には150トンの生産を目指していきます。 都市圏での販路開拓。関西や中京方面の大型店舗や飲食店等への売込みなどを行い、販売先の確保を行います。
13 香福茸(こうふくだけ) 大型で肉厚な原木しいたけ「香福茸(こうふくだけ)」は平成28年度に市場に初出荷されたブランドしいたけです。平成27年度から原木しいたけ生産者が取組みを開始しました。傘の大きさや肉の厚み、傘の巻き込みなど厳格な基準を設けており、第3者による検品に合格したものだけが香福茸として販売されます。[香福茸の主な規格]①傘の大きさ8cm以上②傘の厚み3cm以上③傘の巻き込み1cm以上 県内の主な生産地。越前町、鯖江市、若狭町で生産されています。 生産量。平成30年度は生産量200kg(2,000個)を見込んでいます。 旬および販売先。12月下旬から3月末までの期間限定の食材です。武生青果(株)が取り扱いをしています。 安定供給。香福茸の規格を満たすしいたけは、原木数本に1個の割合です。生産者は、栽培技術研修会等を開催するなど、安定供給と高品質化のための技術研鑚に努めています。 新たな生産者の確保。結婚式場や飲食店からの需要に応えるため、農業者等に対する取り組み提案による生産者の確保を進めます。
14 越前がに 本県で漁獲されるズワイガニを「越前がに」と呼び、このうち雌ガニは「セイコガニ」、脱皮直後の甲羅の柔らかい雄ガニは「ミズガニ」として区別されます。本県の代表的な水産物である「越前がに」を平成元年に県の魚に指定しました。日本で唯一、皇室に献上されるカニとして、全国的にも高い評価を得ています。 県内の生産地。坂井市三国町、福井市、越前町、敦賀市、小浜市およびおおい町の底びき網漁船で漁獲され、三国、越前、敦賀、小浜の4港に水揚げされます。 漁船隻数および漁獲量。「越前がに」は、沖合底びき網漁船27隻、小型底びき網漁船44隻の合計71隻で漁獲し、近年の漁獲量は500トン前後で推移しています。 旬および主な販売先。「越前がに」漁は11月6日に解禁され、雌ガニは年内、雄ガニは3月20日まで漁獲されます(ミズガニの漁期は2月19日から3月20日)。毎年、多くの観光客が「越前がに」を求めて本県を訪れており、ほとんどが県内で消費されます。 資源保護。底びき漁場に保護育成礁(魚礁)を設置し、雌ガニの保護をしています。水産試験場が開発したカニとカレイを獲り分ける「越前網」を使用し、カニ漁期以外のカニの混獲を防止しています。海底地形とカニの分布状況の関係を解明し、稚ガニが高密度に分布する海域を特定して保護区に設定します。 ブランド力の強化。平成9年に全国で初めて黄色いタグを1尾ずつ付けて他県産との差別化を図り、平成19年には、「越前がに」という名称を地域団体商標として登録しました。 平成27年度からは重量1.3kg以上、甲羅の幅14.5cm以上、爪の幅3cm以上のものを最上級ブランド「越前がに極」として認定しています。 平成30年9月に国の「地理的表示(GI)保護制度」に登録されました。ズワイガニでは日本で初めてとなる品質が保証されたブラント産品となりました。 ブランド力強化。首都圏などで解禁日に合わせて試食販売会や、越前がに漁ドキュメンタリービデオを活用したPRを実施し、全国的な注目度をさらに高めていきます。
15 越前がれい 正式名は「アカガレイ」です。水深150m以深の海底に生息している大型のカレイで、水揚量が多い越前町の地名を使って「越前がれい」と呼んでいます。福井県では1月25日の天神講に、学問の神様である菅原道真の掛け軸に「越前がれい」の焼物を供え、子供の学力向上を願う文化があります。 県内の主な生産地。坂井市三国町、福井市、越前町、敦賀市、小浜市およびおおい町の底びき網漁船で漁獲されます。全体の約7割は越前漁港に水揚げされます。 漁獲量。近年では年間1,000トン前後で推移しています。 旬および主な販売先。9月から翌年5月に漁獲され、2~3月に最も多く漁獲されます。11月以降に漁獲される子(卵)を持ったものは絶品です。煮物や焼物、干物で利用され、県内外で広く消費されます。 生息環境の保全。「越前がれい」が生息する水深150~250mの海底環境を改善するため、平成17年度から海底耕耘を実施しており、これまで延べ517k㎡の海底を耕耘しました。 ブランド化。活締めや神経抜きによる鮮度管理に取組んでいます。 ブランド力の強化。「越前がれい」を「越前がに」に続くブランド品として定着させるため、徹底した鮮度管理による品質向上を進め、刺身用の食材としてPRするなど新たな販路を開拓します。
16 甘えび 正式名は、「ホッコクアカエビ」です。生で食べると甘味があることから「甘えび」と呼ばれます。また、体色が赤いことから「アカエビ」と 呼ばれることもあります。 県内の主な生産地。坂井市三国町、越前町、敦賀市の底びき網漁船で漁獲され、全体の約7割は福井港三国港地区に水揚げされます。 漁獲量。年間400トン前後で推移しています。 旬および主な販売先。4~6月、および9~10月に多く漁獲されます。刺身や寿司種、から揚げ、汁物、茶碗蒸しなどの料理に利用され、県内外で広く消費されます。 生息環境の保全。「甘えび」が生息する水深350m前後の海底環境を改善するため、平成17年度から海底耕耘を実施しており、これまで延べ383k㎡の海底を耕耘しました。 生息環境の保全。海底耕耘を実施する海域を拡大し、生息環境の保全を進めます。 ブランド化。水揚げされた「甘えび」の徹底した鮮度管理や大きさ別の選別方法(規格)の統一などを行うことで、他県産との差別化を図ります。
17 若狭ぐじ 正式名は「アカアマダイ」です。「ぐじ」という名前は、角張った頭の形を表現した「屈頭魚(くつな)」という名前が転じたものといわれています。「若狭ぐじ」は蒸し物や焼き物などで食されますが、うろこを落とさずに一塩して、そのまま焼き上げる「若狭焼き」が有名です。白身で淡泊な中にも甘味が広がり、大変おいしい魚です。 県内の主な生産地。主に嶺南地域の釣りや刺網(こぎ刺網)で漁獲され、敦賀、小浜、高浜の3港に水揚げされます。 漁獲量。年間100トン前後で推移しています。 旬および主な販売先。周年にわたり漁獲されますが、こぎ刺網が操業される8月に最も多く、主に県内と関西で消費されます。 ブランド化。嶺南地域で釣りによって漁獲されたアカアマダイのうち、姿形の美しい500g以上のもので、専用の保冷ボックスやパーチ(魚の乾燥を防ぐビニール)を活用した鮮度管理が徹底されているものだけを「若狭ぐじ」とし、港の名前と漁獲した船名が記載されたラベルを貼って販売しています。平成19年には、「若狭ぐじ」という名称を地域団体商標に登録しました。 ブランド力の強化。「若狭ぐじ」は京料理には欠かすことのできない食材「若狭もの」として重宝され、関西圏ではブランド品として浸透していますが、今後、全国ブランドに育成するため、首都圏(福井ゆかりの店やアンテナショップ)などでイベントや試食会を開催し、知名度の向上と販路の開拓を図っていきます。
18 若狭ふぐ 本県で養殖されるトラフグを「若狭ふぐ」と呼びます。日本海側でトラフグの本格的な養殖が行われているのは本県のみで、養殖地としては最北端になることから、夏と冬の水温の差が大きく、「身が引き締まって美味しい」と高く評価されています。 県内の主な生産地。敦賀市、若狭町、小浜市、高浜町で養殖されています。 経営体数および生産量。29経営体で、近年の生産量は100トン前後で推移しています。 旬および主な販売先。「てっちり鍋」など冬の食材として主に利用されています。県内の漁家民宿で消費されるほか、関西地方の市場へ出荷されます。 ブランド力の強化。夏向けの料理メニューを開発し、「夏の若狭ふぐ」として、夏場の新たな需要の開拓をしています。種苗段階で雌雄を判別し、白子を持つ雄フグと肉質の良い雌フグを区分して養殖する手法を開発しています。 平成19年11月に「若狭ふぐ」として地域団体商標に登録しました。平成20年から、若狭ふぐ料理を取り扱う県内の宿泊施設を「若狭ふぐの宿」の認定や、福井市内を中心に嶺北での販路拡大のため「若狭ふぐ」取り扱い店の紹介等を進めています。 大型種苗の供給。漁業者から要望の強い大型種苗10cmを供給します。
19 若狭のかき 正式名は「マガキ」です。福井県では、昭和5年から、若狭湾でも特に波が穏やかな小浜湾を中心に養殖が始まりました。夏と冬の水温差が大きい若狭湾の環境が、良質で美味しい「若狭のかき」を養殖する好条件になっています。1年で殻長(殻の前端から後端までの最大の長さ)は9cm程になります。一般的にカキは、人間に必要なミネラルをはじめ、さまざまな栄養素を多く含んでいることから、別名「海のミルク」と呼ばれています。 県内の主な生産地。若狭湾の中でも小浜湾のみで養殖されています。 生産量。年間50トン前後で推移しています。 旬および主な販売先。主に11~1月に出荷されます。鍋物、フライ、焼きガキ、蒸しガキなどの料理に利用され、県内外で広く消費されます。 生育管理。カキに付着し、呼吸を阻害したり餌となるプランクトンを奪うシロボヤ(ロープや漁網などに付着するホヤの仲間)を駆除するため、数時間カキを海から出して日干したり、雨に当てることを行っています。
20 越前うに バフンウニの生殖巣を塩漬けしたものを「越前うに」と呼びます。「越前うに」は、江戸時代の書物で全国各地の名産品を集めた「日本山海名産図会」において、「塩辛中の第一」とされる名産品で、日本の三大珍味の一つになっています。原料となるバフンウニは、水深2m以浅の岩礁地帯に生息する殻径3cm前後のものを使用しています。三国町雄島漁協の海女さんによる漁獲風景は夏の風物詩となっています。 県内の主な生産地。坂井市三国町の海女によって漁獲、生産されます。100gの「越前うに」を生産するためには、100個以上のバフンウニが必要です。 生産量。年間100kg前後で推移しています。 旬および主な販売先。原料となるバフンウニは、規則により7月21日~8月20日までが漁期となっており、この時期だけに漁獲されます。地元で直接取引されるため、なかなか入手できない逸品です。 生息環境の保全。ウニが生息する環境(藻場)を保全するため、地域住民が一体で「藻場造成」や「岩盤清掃」などの活動をしています。・水産試験場が、効率的に藻場を造成する技術開発を進めています。 地蒔き式養殖試験の実施。海女さんと水産試験場の共動により、秋に稚ウニを放流し翌年の漁期に漁獲する「地蒔き式養殖」の技術開発を進めています。
21 若狭かれい 若狭湾で水揚げされたヤナギムシガレイの干物を「若狭かれい」と呼びます。「若狭かれい」は、江戸時代の書物で全国各地の名産品を集めた「日本山海名産図会」において、「淡乾の品多しとはいえども是天下の出類雲上の珎美と云べし」と、最上級の賛辞が与えられています。「若狭かれい」は、昭和60年以降、毎年11月末から12月に皇室に献上されています。 県内の主な生産地。坂井市三国町、福井市、越前町、敦賀市、小浜市およびおおい町の底びき網漁船で漁獲され、大部分は越前と小浜の港に水揚げされます。 漁獲量。年間50トン前後で推移しています。 旬および主な販売先。底曳網が解禁となる9月および10月の2か月間で年間の約7割が漁獲され、主に嶺南と関西で消費されます。 生息環境の保全。ヤナギムシガレイが生息する水深150m前後の海底環境を改善するため、平成17年度から海底耕耘を実施しており、これまで延べ145k㎡の海底を耕耘しました。 ブランド化。若狭地方独特の塩加減と干し加減によって、身が締まった非常においしい干物が作られ、中でも透き通った身にピンクの卵を持ったものは格別です。平成19年には、「若狭かれい」という名称を地域団体商標に登録しました。 生息環境の保全。海底耕耘を実施する海域を拡大し、生息環境の保全を進めます。 ブランド力の強化。首都圏(福井ゆかりの店やアンテナショップ)などでイベントや試食会を開催し、知名度の向上と販路の開拓を図っていきます。
22 鯖へしこ 魚の糠漬けのことを「へしこ」と呼びます。嶺南地方で「漬け込む」ことを「へしこむ」と言うことから、名付けられたといわれています。冬の重要な保存食で、江戸時代中頃が起源と伝えられています。サバやイワシ、フグなどが使われますが、「鯖へしこ」が最も有名です。作り方は、サバを水洗いし塩漬けにした後、1年間糠漬けにします。夏の暑さによって熟成させることにより、風味のある味が完成します。ミネラルやアミノ酸をバランス良く含む健康食品であり、サバに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)や糠に含まれるビタミンなども、体に良い影響を与えることが知られています。 県内の主な生産地。県内全域で生産されています。 生産量。年間約95万本が生産されます。 旬および主な販売先。焼き物、お茶漬け、刺身など、1年を通して美味しく食べることができます。県内のスーパーや量販店、道の駅などで販売されています。 ブランド力の強化。本県に根付いている鯖文化を紹介するイベントなどを開催し、「越前・若狭のさば」の知名度を向上させ、「鯖へしこ」の販路や消費を拡大していきます。 越前・若狭の鯖文化。若狭湾で水揚げされた魚介類は、朝廷のあった京の都にまで運ばれていました。その中で代表的な物資がサバであったことから、その行程は「鯖街道」と名付けられました。サバは現在でも京料理には欠かせない食材で、福井県は、神に供え天皇に捧げる食べ物を供給する国「御食国(みけつくに)」と呼ばれています。
23 浜焼き鯖 脂が乗った鯖に串を刺し、丸ごとじっくり焼き上げたものを「浜焼き鯖」といいます。福井県では「半夏生(はんげしょう、はげっしょ)鯖」と呼ばれ、夏至から数えて11日目の7月上旬に食べるのが習わしです。その昔、大野藩の殿様が、農作業で疲れた農民の栄養補給のため、鯖を食べることを奨励したことがきっかけといわれています。 県内の主な生産地。県内全域で生産されています。 生産量。年間約94万本が生産されます。 旬および主な販売先。生姜醤油をつけて食べるのが一般的ですが、寿司(焼き鯖寿司)でも利用されます。県内のスーパーや量販店、飲食店などで販売されています。 ブランド力の強化。本県に根付いている鯖文化を紹介するイベントなどを開催し、「越前・若狭のさば」の知名度を向上させ、「浜焼き鯖」の販路や消費を拡大していきます。 越前・若狭の鯖文化。若狭湾で水揚げされた魚介類は、朝廷のあった京の都にまで運ばれていました。その中で代表的な物資がサバであったことから、その行程は「鯖街道」と名付けられました。サバは現在でも京料理には欠かせない食材で、福井県は、神に供え天皇に捧げる食べ物を供給する国「御食国(みけつくに)」と呼ばれています。
24 若狭マハタ マハタは暖かい海に生息する高級魚で一般的には1mにもなる大型魚です。また市場価格も高く、福井県の新しい養殖魚として期待されている魚です。水産試験場では、平成26年より低水温の福井の海にあった種苗生産の研究や寒さに弱い0才魚を暖かい陸上水槽(閉鎖循環式飼育システム)で大きく育てる研究を行っています。また、養殖業者と協力し、安定した養殖生産に取り組んでいます。 県内の主な生産地、県内4地区(敦賀市、若狭町、小浜市、高浜町)で試験養殖を実施しています。 県内の漁家民宿やホテル、旅館、寿司チェーン店において、試験販売を実施しています。 本格生産開始。平成31年度に新たに種苗生産施設を整備し、施設において種苗生産を開始します。平成32年度からの本格出荷の実施を目指します。 県内の漁家民宿やホテル、旅館、寿司チェーン店において、マハタ料理の開発に取り組んでいます。県外においてPRイベントを開催し、県内漁家民宿等への誘客を図っていきます。
25 ふくいサーモン 本県で養殖されるトラウトサーモンを「ふくいサーモン」と呼びます。トラウトサーモンは、海で養殖されるニジマスのことで、水温20℃以下でしか育たないと言われています。そこで福井の海の低水温環境を生かした養殖が平成26年から始まりました。国内での生産量は少なく市場での需要が大きいことから、生産を安定させ安全・安心・福井産を打ち出したブランド化を目指します。 県内の主な生産地、県内4地区(福井市2、おおい町、小浜市)で養殖されています。 生産量。平成29年からは年間約100トンを生産しています。 県内の寿司チェーン店や量販店において、販売されています。
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